葛城簡易裁判所 事件番号不詳 判決
主文
被告人を判示第一の罪につき罰金一万円に
判示第二ないし第五の罪につき罰金四万円に処する。
右各罰金を完納することができぬときは金五百円をそれぞれ一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
訴訟費用中昭和三二年八月二九日証人門根彪に支給した分は被告人の負担とする。
理由
一、罪となるべき事実
被告人は奈良県南葛城郡御所町七五二番地に製造場を有し、同所に於て銃の製造販売業を営む者であるが別紙一覧表記載の通り昭和三〇年五月九日頃から昭和三一年二月六日頃までの間右製造所で物品税法第一条第二種乙類六号の銃を製造し、販売等のため移出したのにかかわらず各その翌月十日までに物品税課税標準申告書を所轄税務署に提出しないで何れもその申告を怠つたものである。
一、証拠の標目(省略)
一、法令の適用
法に照らすと被告人の判示第一の所為は昭和一五年法律第四〇号物品税法第八条第一項第十九条第一号に各該当するので所定刑中罰金刑を選択し、所定罰金額の範囲内で被告人を罰金一万円に、判示第二ないし第五事実については右各同法条に各該当するので前同罰金刑を選択し刑法第四五条前段第四八条第二項を適用して各罪につき定めた罰金の合算額以下の範囲内で被告人を罰金四万円に処し、右各罰金不完納の場合の換刑を刑法第一八条によつて算定し、訴訟費用中昭和三二年八月二九日訊問した証人門根彪に支給した分については刑事訴訟法第一八一条により被告人に負担させるのを相当と認める。
被告人及弁護人は判示第五の事実中二月六日の二連銃についてはこれは販売したものでなく抵当物として金借したものである。よつて申告義務が発生していないから違反の事実はない旨何れも争うので按ずるに物品税法第八条に所謂移出とは、販売のためのみの移出を指すものではなく同法は広く移出という事実行為があれば直ちに課税原因が発生し、その移出の原因が販売であろうと抵当物であろうと問う処でないと解するのが相当である。よるて被告人及弁護人の主張のように抵当物であつても移出した以上申告書提出の義務は発生しているのであるから右主張は何れも採用できない。
仍て主文のように判決をした。(昭和三二年九月一二日葛城簡易裁判所)
一覧表
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以上